豊明市のスマホ1日2時間条例とは?全国初の取り組みと世界の制限例を解説

最近ちょっと気になるニュースがありました。
愛知県豊明市が、市民のスマートフォンやタブレットの利用を「1日2時間以内を目安」とする条例案を出したんです。施行は10月1日。市によると、時間を具体的に明示した「スマホ使用条例」は全国初だとか。


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どんな内容?

  • 1日2時間以内を目安
  • 小学生は夜9時まで、中学生以上は夜10時まで
  • スマホやタブレットだけでなく、ゲーム機やパソコンも対象
  • 家庭でルール作りを推奨

ただしここがポイント。強制力も罰則もなしなんです。
つまり守らなくてもペナルティはありません。あくまで「こういう生活が望ましいですよ」という市からの提案に近い形ですね。


強制力は?

「条例」というとちょっと硬く聞こえますが、この場合は実質「努力目標」なんですよね。
市長も「スマホが便利な生活ツールであることを前提に、社会問題として適正使用を考えてほしい」と話しています。
市民に「意識してもらう」ことが目的で、取り締まる意図はないようです。


課題は?

こうした条例にはいくつか課題もあります。

  1. 実効性の問題
    守らなくても処罰がないので「意味あるの?」という声は出そうです。
  2. 一律の時間制限は難しい
    勉強やリモート学習で使う時間もカウントされるのか?という線引きの問題。
  3. 家庭ごとの事情の違い
    保護者が子どもに使わせすぎるケースもあれば、逆に必要な用途もあるので調整が難しい。
  4. 自由の制限に感じる人も
    「プライベートに干渉しすぎでは?」と反発が起きる可能性もあります。

世界の例は?

日本だけの話ではありません。
海外でも「スマホ・画面利用の時間制限」は議論されていて、いくつか似たような取り組みがあります。

  • スウェーデン
    公衆衛生庁が子どもの年齢別に「1日○時間まで」と推奨(法的拘束力なし)。
  • シンガポール
    国家レベルで幼児や子どもの画面時間の目安を発表。これもガイドライン的なもの。
  • 香港政府
    幼児は画面ゼロ、2〜5歳は1時間まで…といった健康指針を提示。
  • 米ルイジアナ州
    保育施設向けに「2歳未満はスクリーン禁止、年長児は1時間以内」といったライセンス基準を設定(家庭には及ばない)。

一方で、中国や韓国では夜間のゲーム利用を法的に制限する仕組みがあります。これは強制力あり。
つまり世界的には「啓発型」と「規制型」の二つがあるんですよね。


まとめ

豊明市の条例は「努力目標」にすぎないので、実効性は正直あやしいです。
でも、市民に「スマホとの付き合い方」を考えさせるきっかけになるのは間違いありません。

世界的に見ても、罰則なしで「使用時間を目安として明示」するのは珍しい取り組み。
社会全体でスマホ依存をどう防ぐか、その議論を進める一歩になるのかもしれませんね。

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