盗んだお金で借金返済は有効?損害は戻るのか?
ニュースでたまに聞きますよね。「横領金で借金を返した」ってやつ。結論だけ先に言います。
先に結論
- 返済は原則有効。借金は消えてしまいます。
- ただし、受け取った側が事情を知っていたら例外。返還請求の余地があります。
- 会社の損害は基本戻らない。現実は厳しいですよね。
なぜ「返済は有効」になるの?
お金は流通性が高い性質のものです。いったん支払いに回ると、元の持ち主の「物」だとは主張しにくいんですよね。
だから、横領金で返済しても形式上の弁済は成立。債務は消滅という扱いになります。
例外:受け取り側が知っていたら?
返済先が「これは横領金だ」と知って受け取ったなら、不当利得として返還を求められる可能性があります。
でも実務では、返済先が善意(知らない)のことがほとんど。ここが壁になりますよね。
被害者(会社)から見るとどうなる?
- 横領した本人:刑事責任+会社への損害賠償義務は残ります。
- 返済先:善意なら返金義務なし。受け取った返済は有効のままです。
- 会社:お金は基本戻りません…つらい結末になってしまいます。
会社ができる回収ルート
- 本人への損害賠償請求:判決が出ても資産がなければ回収困難になりがちです。
- 返済先への不当利得返還請求:返済先が悪意だったと立証できるときに限られます。
- 保険での補填:業務上横領保険など。実務ではここが最大のリカバリー手段になりやすいですよね。
まとめ
盗んだお金での返済=原則有効。借金は消える。でも、会社の損害は基本戻らない。例外は「受け取った側が知っていたと証明できる場合」だけです。
現実解は、内部統制+保険での事前対策。起きてからでは遅いんですよね。
よくある質問
Q. 返済先が銀行でも同じ?
A. はい。銀行が善意なら返済は有効。銀行に返還義務はありません。
Q. 返済で罪は軽くなる?
A. 刑事責任は残ります。返済で罪が消えることはありません。
Q. 被害回復のコツは?
A. 初動で資産凍結・仮差押えを検討。社内の職務分掌・承認プロセスを見直し、横領保険の加入状況も点検しておくと安心です。
注意書き
本記事は一般的な解説です。個別事案では結論が変わることがあります。具体的な案件は弁護士へご相談ください。
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