
Nikon F2フォトミックASとは?DP-12とDP-11の違いをサクッと解説
「フォトミックAS」って何?──これはNikon F2本体にDP-12ファインダーを装着したモデルのことです。
DP-12はAI方式対応(Aperture Indexing)とSPD(シリコンフォトダイオード)露出計を搭載したF2シリーズの最終形。
つまりAS=AI対応+SPD搭載=DP-12というわけですね。
このモデルは、1977年のAI方式移行に合わせて登場。
従来のCdS受光素子よりも反応が速く暗所に強いSPDを採用し、プロの現場でも高く評価されました。
フォトミックASの「AS」って何?
ASは「AI方式対応」と「SPD搭載」の頭文字です。AはAperture Indexing、SはSilicon photodiodeの略ですね。
- A:Aperture Indexing(AI方式対応)…開放F値の連動が自動化されます。
- S:Silicon photodiode(SPD)…CdSより応答が速く、暗所に強くなります。
フォトミックファインダー(DPシリーズ)一覧
F2に装着できるフォトミックファインダーは全部で5種類。発売年順に性能の進化とAI対応の有無がわかります。
ファインダー名 | F2モデル名 | 露出計方式 | 測光素子 | AI対応 | 発売年 | 特徴 |
---|---|---|---|---|---|---|
DP-1 | F2 Photomic | 中央部重点 | CdS | × | 1971 | 初期型。開放F値は手動合わせになります。 |
DP-2 | F2 Photomic S | 中央部重点 | CdS | × | 1973 | LED表示で応答が改善されます。 |
DP-3 | F2 Photomic SB | 中央部重点 | SPD | × | 1976 | SPD採用で高感度化。最終AI前夜ですね。 |
DP-11 | F2A | 中央部重点 | CdS | ○ | 1977 | AI対応。ただし受光素子はCdSのままです。 |
DP-12 | F2AS | 中央部重点 | SPD | ○ | 1977 | AI+SPDの完成形。これが「AS」になります。 |
DP-11(F2A)とDP-12(F2AS)の違い
両者ともAI対応ですが、受光素子の違いが性能差を生みます。SPDのDP-12は暗所や光の変化に強いです。
項目 | DP-11(F2A) | DP-12(F2AS) | 差・ポイント |
---|---|---|---|
測光素子 | CdS | SPD | SPDは応答が速く、暗所に強いです。 |
暗所での反応 | ワンテンポ遅れがち | ほぼ瞬時に安定 | ライブや夜景で差が出ますよね。 |
AI対応 | ○ | ○ | ここは同じになります。 |
露出計の経年 | CdSは劣化しやすい | SPDは劣化が少なめ | 中古だとDP-12の当たり率が高めです。 |
重量 / 視野率 | 約270g / 100%・0.8倍 | 約270g / 100%・0.8倍 | スペックはほぼ同じですね。 |
中古相場感 | やや安い | 高め | 最終型人気でDP-12が上がりがちになります。 |
実写シーン別の使い勝手
暗所や光が変わる環境での反応速度が大きな差。SPDの方が一瞬で露出が安定します。
撮影シーン | DP-11(CdS) | DP-12(SPD) | ひとこと |
---|---|---|---|
ライブ・コンサート | 暗所で針が遅れます | 瞬時に安定表示 | SPDが圧倒的に有利ですよね。 |
夕景・夜景 | 明暗差で表示が落ち着きにくい | 即応でブレにくい | 三脚撮影で安心感が出ます。 |
街スナップ(日中) | 急な逆光で追従が遅い | 逆光変化にもすぐ反応 | テンポ良く撮れます。 |
室内(蛍光灯/白熱灯) | 光源変化にワンテンポ | すぐ追従 | イベント撮影がやりやすくなります。 |
スポーツ | 針がブレやすい | 安定表示 | 露出の外しを減らせます。 |
テスト/連続カット | 遅れて動く | 即反応 | テンポ重視ならDP-12です。 |
どっちを選ぶ?診断チャート
撮影スタイルや環境から、自分に合うモデルが一目でわかります。
まとめ
最後におさらいです。
- 暗所・変化に強い=DP-12(F2AS)。最終型で安心感があります。
- 価格重視で日中メイン=DP-11(F2A)。コスパは良好ですよね。
- どちらもF2の魅力を引き出す名機。スタイルと予算で決めるだけになります。
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