
【音が遠くまで届く理由】Mrs. GREEN APPLE騒音問題を物理で解説!
先日話題になったMrs. GREEN APPLEの横浜ライブ。
「音が遠くの住宅まで聞こえる!」という苦情が相次ぎ、公式が謝罪文を出す事態になりました。
でも実際、「海沿いの会場だし、音量も守ってたはずなのに…なぜ?」って思いませんか?
じつはこれ、物理学でちゃんと説明できます。
この記事では、音の波長と風向きから、なぜ音が広範囲に届いてしまったのかを解説していきます。
■ 低音ほど遠くまで響く理由
音には高音・中音・低音がありますが、一番遠くまで届きやすいのは低音です。
なぜかというと、低音は波長が長いから。
音域 | 周波数 | 波長(音速340m/sで計算) |
---|---|---|
高音 | 4,000Hz | 約8.5cm |
中音 | 1,000Hz | 約34cm |
低音 | 100Hz | 約3.4m |
この「波長の長さ」がカギ。
- 壁や建物を回り込む(回折)
- ドアや窓を閉めても中に入り込む
- 遠くの住宅までズンズン響く
つまり、低音が原因で「音が突き抜けてしまった」わけです。
■ 風が音を押し流すって知ってた?
今回の騒音問題で公式はこう言っています。
「当日の風向きにより想定以上に広範囲に音が拡散した」
これは本当で、音は風に乗って広がります。
▼ 風速が与える影響
風の状態 | 音のスピード | 影響 |
---|---|---|
無風 | 340m/s | 通常通り伝わる |
追い風(風下に向かって吹く) | 345m/s(風速5m/s加算) | より遠くまで音が届く |
向かい風 | 335m/s | 音が届きにくくなる |
風速5m/sは「旗がはためく」程度。
夏の海辺ではよくある風速ですが、それでも音の到達距離がグッと伸びるんです。
さらに…「風による音の屈折」も起こる!
上空と地面付近で風速が違うと、音波が地面側に曲がって戻ってくる現象もあります。
これにより、本来届かないはずの住宅エリアにも音が届いてしまうんです。
■ 苦情が殺到したのは偶然じゃない
今回の音漏れは、以下の2つの物理現象が重なった結果です:
- 低音の波長が長く、遠くまで響きやすかった
- 風が音を住宅街方向に押し流してしまった
つまり、「音量守ってるから大丈夫」では防げない状況だったということですね。
■ 今後のライブに必要な配慮
- 低音の拡散性を踏まえてスピーカー設計を見直す
- 当日の風向きや湿度など気象条件をリアルタイムで監視
- 1日目に苦情があれば、2日目は対応を検討する柔軟さ
■ まとめ
Mrs. GREEN APPLEの音楽は本当に素晴らしいし、ライブに行ったファンにとっては特別な体験だったはず。
でもその裏で、「物理的に音が届いてしまう条件」が揃ってしまったことも、見逃してはいけません。
音楽の感動と、地域の静けさ。
どちらも大切にするために、音の特性を理解したライブ運営がこれからもっと求められそうですね。