【注意】モバイルバッテリー火災が急増!リチウムイオン電池の発火原因とリチウムの科学的性質

身近だからこそ危ない。だからこそ知っておきたいですよね。モバイルバッテリーの火災リスクと対策を、短くわかりやすくまとめました。

 

 

(関連記事)リチウムイオン電池の構造と発電原理をわかりやすく解説【劣化の見分け方と長持ちのコツ】

 

相次ぐモバイルバッテリー火災の事例

最近、リチウムイオン電池の発火事故が相次いでいます。身近な話ですよね。

  • 2025年7月・山手線車内:充電中に本体が熱くなり、取り外し後に発火。車内が一時騒然に。
  • 2025年1月・韓国の旅客機:収納棚のモバイルバッテリーが火元と指摘。各社が「手元で管理」を呼びかけ。
  • 2025年8月・日本の住宅:2年ぶりに充電したバッテリーが就寝中に発火。布団の横で炎が噴出。機転で延焼は回避。

身近な製品が突然火を噴く。そうなってしまいます。

そもそもリチウムイオン電池とは?

正極⇄負極のあいだをリチウムイオンが行き来して充放電する電池です。

  • 負極:グラファイト(炭素)
  • 正極:リチウム金属酸化物(例:リチウムコバルト酸化物)
  • 電解液:揮発性・可燃性の有機溶媒

小型で高エネルギー密度。だからスマホやPC、モバイルバッテリーに最適です。でも、制御を失うと危ないですよね。

リチウムという元素の性質

リチウム(Li)は原子番号3のアルカリ金属。地球上で最も軽い金属です。

  • 銀白色で柔らかい。水に浮くほど低密度。
  • 空気中で酸化しやすく、表面が黒ずむ。
  • 水と激しく反応し、水酸化リチウム+水素ガスを生成。発熱で着火の危険。
  • イオン化しやすく、高エネルギー密度電池に向く。

便利さと危険性は表裏一体。ここが本質ですよね。

リチウムイオン電池の発火原因とメカニズム

熱暴走(Thermal Runaway)とは?

過熱 → 反応加速 → さらに過熱。連鎖して制御不能。最後は発火・爆発へ。

主な原因

  • 短絡(ショート):製造不良や落下で内部破損。
  • 過充電・急速充電:内部劣化や構造破壊。
  • 外部衝撃・圧迫:変形から発熱へ。
  • 劣化:SEI膜が壊れ、発熱反応が進行。

化学的な増幅要因

  • 電解液は可燃性が高い(ガソリン並み)。
  • 正極の金属酸化物は高温で酸素放出。酸化剤となり燃焼を加速。

発火を防ぐための安全対策

  • 長期放置しない:数年放置後の初回充電はリスクが高い。
  • 純正・信頼ブランドを選ぶ:保護回路が違います。
  • 就寝中・外出中の充電は避ける:異常に気づけません。
  • 高温放置しない:車内や直射日光はNG。
  • 膨張・変形・異臭は使用中止:危険信号です。
  • 廃棄は一般ごみに入れない:回収ボックスや家電量販店へ。

回収の壁と社会的課題

東京都内では電池火災が増加。2023年は167件でした。多くがごみ混入由来です。

回収ルートはまだ不十分。分別の徹底と啓発が要ります。ここを変えないと、現場の火災は減りませんよね。

発火を防ぐためのチェックリスト ✅

  • ✅ 2年以上放置した電池は充電前に状態確認
  • ✅ 純正・信頼できるメーカー品を選ぶ
  • ✅ 就寝中・外出中の充電はしない
  • ✅ 高温環境(車内・直射日光)に置かない
  • ✅ 膨張・変形・異臭は即中止
  • ✅ 廃棄は回収ボックスへ。一般ごみはNG

まとめ

  • リチウムは軽くて反応性が高い。便利だけど扱いに注意。
  • リチウムイオン電池は高性能。けれど熱暴走で発火しやすくなってしまいます。
  • 原因は短絡・過充電・外的衝撃・劣化。化学的に燃えやすい要因も重なる。
  • 正しい使い方と適切な廃棄が最大の対策です。

身近な電池だからこそ、今日から安全運用でいきましょう。

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